この年の夏休みは車で紀伊半島へ旅行しましたが、最初に訪ねたのがここ三重県の国見山鉱山専用線でした。古い南海の電気機関車が使われていることは知っていましたが、ニュースとして貨車が近江鉄道から購入したものに更新されたことを聞いて寄ってみる気になりました。伊勢市方面から志摩半島の付根を縦断するルートをとりましたが道が狭くて難儀した記憶があります。この数年後に合理化のため電化設備が廃止され新型のディーゼル機関車が使われるようになったことを聞いて、訪れておいて良かったと感じた鉄道でした。
1992年8月10日撮影
2001年6月16日製作

待っていると山へ戻る列車がやって来ました。戻りはこちらが先頭になります。取って付けたようなキャブはブレーキ扱いと前方監視の掛員が乗務しています。
上とは別の列車ですが推進する後部の機関車から身を乗り出して運転する機関士の様子です。貨車の枕バネには砕石が挟まらないようにカバーが付いています。
積み込みホッパーに停車して石灰石を積載中の光景です。もうもうと粉塵が立ち込めます。
上のホッパー脇に留置してある最近用済みとなった古い貨車編成です。
積み込みを終えて港へ向かう列車です。この時は機関車先頭でやって来ます。沿線の風景、味わい深い機関車、運転頻度などなかなか楽しい鉄道でした。
港の積み下ろし施設の突端に停車する機関車を横の道路から見ることが出来ました。貨車の底板を開けて石灰石を落としているところです。
集められた石灰石はコンベアで貨物船に積み込まれ需要地へと向かうようです。リアス式の穏やかな入り江が印象的でした。
線路の状況はご覧の通りいわゆる「へろへろ」状態でこちらも味わいがあります。コンクリート枕木がミスマッチですが。