初めての台湾行きを動機付けたのはその少し前の「鉄道模型趣味」誌に出た平渓線十分の記事と、始めたばかりのネットサーフィンで見つけた炭鉱のトロッコ情報でした。それらが台北から近く、しかも隣接していることが判ると早速夏休みの訪問を計画しました。しかし、キハ20擬きもトロッコも1年以内に無くなってしまい、この時期に訪問して正解でした。それ以来台湾に傾倒しこの3月には5回目の訪台を計画しています。炭鉱のトロッコはそのうちページを作りたいと思っています。
1997年8月12、13日撮影
2003年1月12日製作

4本ある行き止まりローカル線のうち最も人気があり台北にも近い平渓線の大部分の列車は本線(宜蘭線)の瑞芳駅が始発ですが、実際の分岐駅は二つ先のサンチャウリン駅です。瑞芳駅で発車待ちの平渓線列車です。
瑞芳の次駅ホートンには平渓線気動車の基地がありました。形式はDR2100とDR2400の2種有るようでしたが違いは判りません。これは2400の方です。トイレが端部にあるため片目となった正面デザインが近鉄の名車デ2200を彷彿させます。安全第一(全が脱落していますが)の標語も日本と同じです。
民家の軒先を掠める情景で有名な十分駅付近を走る列車です。現地で購入した書籍によると、これらの気動車は戦前のキハ41000や42000の同型車を基に改造を重ねたもののようで、形式は種車の形式によって分けられているようです。しかし車長からしても種車の面影は全く有りません。
上と同じ場所で十分駅の方を見たところです。前出の書籍によるとディーゼルエンジンはカミンズの200馬力を1台装備しているようです。車体は国産で1980年代の製造らしいです。
十分駅に到着した列車を横を流れる基隆川越に眺めたところです。左側の貨車と気動車の間に見えるのが駅本屋です。ドアが開いていますが、手動のためで夏の間は常時開放状態で走っています。貨車は日本式に言えばセキで、当駅で例のトロッコのある炭鉱から産出する石炭を積載するため留置されています。
十分駅に入ってくる上り列車です。当線は腕木式信号機が使用されています。気動車の車内は割とゆったりしたビニール張りの転換クロスシートが並びなかなか快適です。天井で回転する扇風機(JNRのものと同型)も風情がありました。ポイント標識も日本と同じです。
終点のチントン駅を出発した上り列車です。この駅も以前は近くの炭鉱の石炭を積出していたようですが既に廃坑となっていました。車両だけ見ていると日本のどこかのローカル私鉄で走っていそうな気がします。
終点のチントン駅に到着する下り列車です。構内には大規模な石炭積込用のホッパーが2基残されています。またこの駅の駅舎は戦前に建てられた日本風の木造の建物を現在も使用しています。