あつことピコのものがたり
その5 スーパーあつこ
「今週は大変は日が続いたわ。あの子たちに会ってニュースにはなるは、テレビに
は映るわで、生きた心地がしなかったわね。新聞を切り抜いて集めたけど、ほらこんな
にいっぱい。もうどうしようなんてもんじゃないね、それを通りこしてるもんね。」
<今朝の朝刊の切り抜き>

「おちゃ、おちゃ、おちゃ・・・」
「ガチャ、ガチャ、ガチャ・・・」気絶
「おめーん!」
「いったま!」
「大丈夫ですか長老?」
「いやぁ、いったま、いったまじゃよ」
おちゃとゆうたが、温子の机の上で、やにやらやっている。
「何よ、いったまって?」
温子がおちゃに尋ねた。
「いったまは、いったまじゃろうが?」
「まいったってことですよ。長老はまだ地球の言葉に慣れていませんからね。」
「ん?なにか間違っていたおちゃか?」
「なんでもいいです。けど何やってるの?」
「見りゃわかるじゃろうが?」
「剣道?」
「ブー、あたりー」
「それを言うなら、ピンポーンあたりーって言わなきゃ」
「そうそう、その剣道をやっておったんじゃ?」
「すごいねー。どうやってその刀の代わりのお箸を動かしてるの?」
「簡単じゃて。わしらが、こう思うとそうなるんじゃよ。」
<おちゃとゆうたの剣道遊び>

「へぇー。で、どっちの勝ち?」
「ゆうたに決まってるじゃろ。わしはもう年じゃて。ゆうたはまだ若い!」
「年って?長老はいくつなの?」
「地球時間でいったら、1億8千歳くらいかいな?」
「ゆうたはいくつなの?」
「ボクはまだ3500歳くらいかな。」
「あんたたちの話を聞いてると、頭が良くなるか、馬鹿になるかのどっちかね。どっちにしても、わたしのお父さんのそのまたお父さんの、・・・もう人間が生まれる前の話じゃないの、長老の生まれたときって?」
「あたま良くなっていい子を生むんじやぞ!」
「なあにそれ?」
「おおかたどっかのテレビの見すぎですよ」
「それにしてもキミたちを公表するわけにはいかないわね」
「どうしてなの?」
ピコも話に加わった
「というのも、キミたちの技術はおそらく地球にないものよ。それをみんなが奪い合おうとするわ。戦争になるかもしれない」
「戦争ってなんじゃ?」
「人を殺し合うことよ」
「殺し合うってなんじゃ?」
「人が死んで、二度と動かなくなること」
「そりゃあ、幸せじゃのう?」
「なんでよー?」
「わしらはいつも動きまわっとるでのー。」
「なにそれ?」
「ボクたちは構造上、止まることができないんです。光と同じような構造なんですよ」
「やっぱ、キミたちと話てると、天才になるか、馬鹿になるかだわ」
「じゃから、いっぺんでいいから、止まってあつこみたいに寝てみたいもんじゃよ。」
「それなりに悩みがあるものね」
温子はランラン星人がなぜ狙われやすいか、とうとうと説明した。
「なあーるほどじゃ。つまり、わしらを利用して、みんなが殺されて寝るようになると、平和が訪れるってことじゃな?」
「違います!その逆よ!」
「寝るって事じゃないの。死ぬって事は、二度と起きないって事なの。家族や親戚、友人はみな悲しむわ」
「そうじゃったのか?それでわしらの……、」
とおちゃが何か話を続けようとしたとき、突然、けたたましい消防車のサイレンが、温子の家の前を過ぎていき、さらに鳴り響き、その音はどんどん数を増していった。
<ボーイフレンド司(つかさ)登場>
「あつ、大変だ!3軒先のマンションが火事だ!」
「つかさ!どうしたの?」
「ほら今日はオレのライブの日だろ?昼飯一緒に喰うっていってたろ?そんなことより、はやく逃げろ!火が回ったら大変だ!」
「ちょっとまってよ。大事なお父さんの写真があるのよ」
「そんなのは、後にして」
と、司は温子の手を引っ張って、外へ誘導した。
「ボクたちも行ってみましょう!」
「おもしろそうじゃのう」
「あまりおもしろくないかもしれませんよ」
3軒先の手前、温子の隣の家の前は今、非常線が引かれようとしていた。
「あっ、お嬢さん、ここからは入れないから!」
消防隊員らしき人が温子を止めた!
マンションは8階建、1階は店舗、2階から全部で35戸ある。どうやら一番火が強い
のは5階のようで、マンション5階の真ん中辺りから、かなり強い火の手が上がっ
ている。
<火事だ!>

「ハシゴ車はまだか?5階に逃げ遅れた人がいるぞ」
「5階では人が手を振り何か叫んでいる」
「子供もいるようだ」
消防隊員はトランシーバーで、他の隊員と頻繁に情報のやり取りをしている。
「ハシゴ車はまだか?間に合わないぞ。今にも飛び降りそうだ!」
「どうしたんじゃ?」
「長老、あの人たちを助けてあげて!」
「ホイホイ、そんなの簡単じゃて。皆で飛んでって、助けてしんぜようぞ」
「頼んだわ」
「ちょっと待ってください」
「どうしたのじゃ、ゆうた」
「ボクたちが行って助ける事は簡単です」
「だからそうすればいいじゃろ?」
「ですが、温子さんの言う、ボクたちを欲しがる連中にもばれてしまいます。それは問題ではありませんか?」
「そういえばそうねぇー」
「そうかのう?わしは目立っていいと思うのじゃがな」
「わたしにいいアイデアがあるわ」
しばらくみなの話を静かに聞いていたピコが口を開いた。
「わたしのアイデアをみんなにはなすわよ!急いでいるから、わたしたちの言葉で話すわよ」
「∽∴♂√∀∬」
「そりゃあいいアイデアだ!」
「でしょー」
「ピコは地球の世界最速のスーパーコンピューターの10の10兆乗倍の演算能力があるんだ。だからリーダーやってるんだよ。」
ゆうたが説明した。
「いそいで家に行って用意してきて」
ピコがそういうと、ピコを残しゆうたたちは、一瞬にして温子の家に消え、なにやら持って、またあっという間に戻ってきた。
<スーパー『あ』>

「温子、これを着て」
ピコが差し出したものを見て、
「これはなに?」
「だからスーパーあつこのスーツよ」
「だからなに?」
「もぅー、あつこはにぶいんだから。これを着て、スーパーあつこになるのよ!そうして飛んでいって、あの人たちを助けるの。さぁ、早く、早く!」
温子は、
「とってもいいアイデアね。さすがにスーパーコンピューターを凌ぐだけの事はあるわ。こんな答、絶対に出ないもんね…。」
「わたしのお世辞はいいから早く着て!」
「お世辞じゃないんだけど・・」
温子はいつしかスーパーあつこのスーツに身をまとい、非常線の中の、まさに最前線に立っていた。
「どうしてここに?」
「わたしたちが連れてきたの、一瞬で」
「スーパー何とかはともかく、それだけはすごいわよね」
「君はなんだ!ここで何にいるんだ!危ないから早くここを出るんだ!」
「あのー、あの人たちを助けようと思って…」
「助けようと思ってだって?そんな格好して?テレビばかり見ていないで、早く帰って勉強したら?とにかく危ないから早くどいて、どいて!」
温子は少しむっとして、
「わたしが助けます」
と言ってしまった。
「アッハッハッ!君の格好、スーパーマンだろ?飛んでって助けるんだ。アッハッハッ…」
と言ってる消防隊員の目の前で、スーパーあつこは浮き上がり、そのまま一気に5階のベランダまで飛んでいった。
「アワワワワッ」
隊員は地面にお尻からへなへなと座り込み、温子の飛んで行く様に、今にも口から泡を吹きそうな様子だった。
温子は2人の大人と3人の子供を両手に抱えて、また一気に降りてきた。
「はい、助けてあげたわよ」
「き、君は、な、なんて言う名なんだ!」
「だからスーパーあつ…、あっ、いや、スーパーあ、よっ!」
「スーパーあ?」
「そう、スーパーあ、よ」
温子は自分の来ているスーツの、おなかの周りに書いてある文字に気がついた。それは丸の中に『あ』の字が書いてあった
温子はこう言うや否や、空高く飛んで去っていった。
「大岩隊員、でかしたじゃないか?特進ものだな」
消防署長が労をねぎらい、
「で、どうやって助けたんだ?」
「はぁ。そ、そのぉ、スーパー『あ』が来て、空を飛んでぇー、5人を抱えてですよー、また空を飛んでーですよー、戻ってきたんですよー…」
「大岩君、ありがとう!おい、誰か大岩に1週間の休暇願を出してやってくれ。そ
れと大岩君、特進は次の機会にするから…。」
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To be continued .... by Jiro
Ohishi